暗闇遊泳





僕は、暗闇が好きだ。

手も足も見えなくなるほどの、暗闇が。

いつしか、僕は暗闇を求めるようになった。

光が苦手などというわけではないのに。

「完璧な暗闇」を求めた。

そして、ある日、僕は決断する。

部屋を、内側から鉄板で覆って、暗闇を作ろうと。

まずは、鉄板を大量に買う。

そして、部屋の内から鉄板で隙間なく覆い、光を断つ。

これで、完成だ。

闇の中を、自由に泳ぐ。

最初はあった様々な感覚が、消えてゆく。

心地よい。

無限の闇を、存分に楽しむ。

と、そんなとき、突然に光が差した。

暗闇に慣れていたので、まぶしい。

目が慣れて、辺りを見ると、眼下に白骨があった。

あれは、僕なんだろうな。

そう悟った瞬間、なぜか笑いたくなった。

死を、簡単に受け入れられた。

光も、案外悪くないな。

そう思いながら、僕は消えていった。





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