カタツムリとカメのおはなし





むかしむかし、あるところにカタツムリとカメがおりました。
ふたりは、とても仲がいいのでした。
ある日、カメは言いました。
「君は、歩くのが遅いなぁ」
すると、カタツムリも言いました。
「君だって、遅いじゃないか」
ふたりは、どちらも自分の言い分をゆずろうとはしませんでした。
そして、カメは言いました。
「だったら、どちらが早いか競争しようじゃないか」
カタツムリは、それを聞いてうなずきました。
「よし、それじゃあ、1キロ先にある木の下まで競争しよう」

ということで、ふたりは競争をはじめました。
カタツムリは、ズルズルと体を引きずってゴールを目指します。
カメは、のそのそと歩いてゴールを目指します。
ふたりとも背負っているものが重いようで、1メートルも進まないうちに疲れてしまいました。
「どうしたんだい?これくらいでもう疲れたのか?」
カタツムリは、カメに言いました。
「そういう君だって、もう疲れたんだろう?」
カメも、負けじとカタツムリに言いました。
ふたりとも、しばらく歩みが止まってしまいました。
そのとき、カメの前に枯れ葉が飛んできました。
カメはそれにびっくりして、顔と足をこうらの中に引っ込めてしまいました。
カタツムリは、このチャンスを逃すまいと必死に歩きました。

それからおよそ2時間後、カメはようやく顔と足をこうらから出しました。
横を見てみると、カタツムリの姿はありません。
遠くに見える丘までしっかり見ても、カタツムリの姿は見えません。
カメは、あせりました。
自分が怖がっている間にカタツムリは見えないほど遠くに行ったのだ、と。
このままでは自分が負けてしまう、と。
急いで行かなければ。
そう思って前を向いたカメが見たものは。
2メートルほど先で必死に体を引きずってゴールを目指すカタツムリの姿でしたとさ。


おしまい。





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